一応調べてみました。
経緯
①アメリカでPL法が成立
②世界的に普及
③PL法による弊害(乱訴)で、アメリカでも改革案が出ている。
実態
厳格責任という消費者保護 を掲げたがそれが仇になり爆発的な訴訟を招き、そしてそれが保険危機をまねき経済的コストがあがってしまったアメリカ。対照的にPL法が骨抜きなせいか代替的紛争処理法ADR が発達してきた日本。
PL法と製品表示についての法律の運用実態
http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/seizoubutsu/file/hokoku.pdf
ヨーロッパでは
「合理的(一般的・正当)に期待されるべき安全性を欠く場合に、欠陥があるものとする」との法律規定
アメリカでは
「警告上の欠陥」として法律で規定されている州が多い。
日本では
法律上の定義はない。解釈論として「指示・警告上の欠陥」が言われる。
日本の事例
不表示とPL法
ex.こんにゃくゼリーの警告表示
H22姫路地裁
「本件こんにゃくゼリーの警告表示は,…外袋の表面にはその右下に,ある程度の大きさで,子供及び高齢者が息苦しそうに目をつむっているイラスト(ピクトグラフ)が描かれ,こんにゃく入りゼリーであることも明示されていること,外袋の裏面には,子供や高齢者はこんにゃくゼリーをのどに詰めるおそれがあるため食べないよう赤字で警告されており,その真上には,ミニカップ容器の底を摘んで中身を押し出し吸い込まずに食するよう,摂取方法が同容器の絵とともに記載されていることに加え,…本件こんにゃくゼリーの外袋表面の中央には「蒟蒻畑」と印字されており,食感等の点で通常のゼリーとは異なることを容易に認識し得ると解されることからすれば,本件こんにゃくゼリーの警告表示は,本件事故当時において,一般の消費者に対し,誤嚥による事故発生の危険性を周知するのに必要十分であったというべきである。
したがって,本件こんにゃくゼリーにつき,警告表示の欠陥は認められない。
日本の法解釈
「極めてまれにしか起こりえない特殊事故を全て想定して、指示警告を行う必要は無い」というのが原則論となります。
~略~
ただ、実際の裁判では判断が微妙な事例もあります。
~略~
製造業者側からすれば、やはり細かく指示警告上の表示を行うことで、リスクヘッジを図るというスタンスを取るのがベターではないかと思われます。
日米の実際の表示比較
注意書きの中でも、「危険」とはそこまで関係ないレベルでの些細なものについて比較したかったので、
日本『よく振ってからお飲みください』
英語『shake well before using/drinking』
を探してみました。
よく振ってからお飲みください - Google 検索
Shake well before drinking - Google 検索
Shake well before drinking - Google 検索
この表記については、英語サーチでも日本の商品が上位に見つかります。そして英語表記の注意書きパッケージは上位に見かけません。
やっぱり、PL法とは無関係に、日本の説明書きが丁寧(過剰)な気がします。
もう少し他の実例も欲しいところですが、英語に詳しくないので分からないです;
マクドナルドの例から探した
日本『ヤケドにご注意ください』
英語『hot』
の例は、日本の缶コーヒーの説明が『よく振って~/沈殿が~/開封後はすぐ~』と丁寧で、マクドナルドは「I'm hot」だけ。そこにもちょっと差がある気もしましたが、「缶コーヒー」との比較はあまり公平ではない感じもあり、分かりませんでした。そもそも缶コーヒーが日本だけだし。